Healed while heal

30代田舎在住ゲイの、普段表に出せない感情などを書き綴るブログです。

BE KOBE

 昨日は、阪神大震災から25年ということで、私は当時、小学生でしたが、一瞬にして6000人以上の方が亡くなる状況に、その後の東日本大震災や9.11テロ事件以上に茫然としたのを覚えています。

 ただその後の神戸は「がんばろうKOBE」ではないですが、復興はかなり早かったと思います。JRも突貫作業で確か3か月後には全通し、阪急か阪神は、行政の支援を受けずに自力で鉄道網を直し、全線開通してたと思います。神戸市もどさくさに紛れてではないですが、賛否両論あるなか復旧・復興と同時進行で、良い悪いは別にして新長田駅前(下町地域)の再開発計画や神戸空港の建設を強行突破しましたし、スピードという点では、どうしても東日本大震災の被災地域と比べてしまうのですが、株式会社神戸市といわれるほどの経営能力が高い神戸市と、民間企業が突貫でやったという印象はありました。

 ただ、その後の神戸は、震災復興の借金や神戸港の相対的な地位低下、重工業からの産業構造の変化に対応しきれず、長期的な地位低下が目立ってきているかなと思います。特に人口は、東京一極集中や、関西圏内でも大阪への流出で政令市の中で一番減っていたり、関西圏で非常に好調なインバウンドも一人負けという状態です。かつて三都物語(大阪、京都、神戸)と聞くと、関西の3つの大都市が、商都、古都、港町としていい感じで個性を出している感じがしていましたが、最近は、神戸は申し訳なさそうに三都に入れてもらっているなという感覚です。

 そんなことから、元気がとりえな人で、ちょっとその陰りが見え始めていた時に、大ケガをして、緊急手術を受けた。もともと元気な人やから手術後の回復も驚くほど速かった。でも快復したときに、本格的に衰えが出始めた。そんなイメージです。

 そうすると、どうしても東日本大震災の被災地域は、緊急手術ができる体力も残されておらず、何とか輸血しながら、衰えに対応しているという印象が強く、あの神戸でさえ、震災から25年たった今、苦しんでいるのに、果たして大丈夫なのかなと思ってしまいます。(神戸と違って全額国費で資金を賄っているので、神戸以上はならないかもしれないですし、そのことが最悪の結果になるかもしれないですし・・)

 まあでも、今さらですが、神戸の最大の失敗は、新空港を蹴ったことだと思っています。1970年代、伊丹空港の騒音問題が出てきて、新空港の候補地に神戸沖が有力視されたんですが、当時は全国的に騒音等の公害問題に敏感な時代で、蹴ったんです。紆余曲折の結果、泉州沖に関空ができたんですが、やっぱり神戸に空港がほしいということで自前で神戸空港を開港しましたが、関空優先のもと、国内のみで発着便数が制限されることになっています。

 大阪は古代から海上交通の要所としてそして天下の台所、京都は千年の都としての歴史があるんですが、神戸は幕末にやっと港が開港されてできた町なので、歴史がない分、常に新しいものを取り入れる地、いわば玄関にならないといけないのに、空港という海上輸送の港にかわる21世紀の新しい玄関をみすみす蹴った時点で、その後の趨勢は見えていたのかもしれないです。

 でも結果は結果ですし、今さらどうしようもないので、これから神戸はどんな方向性を向いていくのか、個人的に興味があります。私が思うにキーワードは「住環境」(大都市、文化、海、山、温泉、島すべてが近い)やと思います。これ以上書くと長くなるんで、このへんにしときますが、震災25年の節目に神戸について思ったことをとりとめなく書いてしまいました。

f:id:mercantile:20200118154842p:plain