Healed while heal

30代田舎在住ゲイの、普段表に出せない感情などを書き綴るブログです。

流転の王妃とラストクイーン

 私は、運命を切り開く生き方も今っぽくて好きですが、皇后陛下雅子さまや、上皇后陛下・美智子さまのように与えられた運命に従う生き方も尊敬します。

 少し昔をさかのぼりますと、「流転の王妃」で有名な清朝最後の皇帝の弟に嫁いだ愛新覚羅浩と、韓国の李王朝の最後の皇太子に嫁いだ「ラストクイーン」李方子さん、この二人は本当に与えられた運命に従って生きたんだなと思います。

 どちらも、皇族もしくは皇族に近い出身で、戦前、政略結婚という形で、結ばれましたが、夫との深い愛情で結ばれて行きましたが、日本の敗戦後、浩は満州帝国の崩壊で、中国大陸を1年以上にわたって流浪・投獄され、方子は韓国籍も日本籍も失い、タケノコ生活を余儀なくされました。

 その後は、浩は夫と再会し中国・北京で生活し、日中の国交回復後は、娘や孫とも頻繁に交流できるようになり、穏やかな生活を取り戻しました。一方、方子は夫と韓国に帰国することを許されますが、夫はほどなく死去。方子は夫との夢であった福祉活動に携わりたいということで、障がい者教育の学校設立や資金獲得に奔走し、晩年は「韓国の母」と呼ばれるようになりました。

www.youtube.com

流転の王妃のドラマバージョン、最後の本人達が出る場面が好きです。

www.youtube.com

■李方子さん 激動の時代を生き抜き「韓国の母」とまで言われるように

 

 おふたかたを見てみますと、最初縁談が持ち上がった時、かなり困惑されたりしたようですが、覚悟を決めてからは、迷わなかった。浩は周囲が戦時中、一時帰国し、また戦火の中国行きに対して親が反対しようとも「私は愛新覚羅の人間なので」といって、戦火の中国にいった。方子は戦後、韓国帰国後、李王朝の皇太子妃として、そして日本の皇族出身者としての誇りや、日本人としての責任や、失意の中亡くなった夫の夢をどうしても実現したいとのことで、福祉活動に尽力した。なんかこう強さというか、格闘技的なものではなく、静かな中にある強さを感じられて、心強さを感じます。

 私がなぜ、こんなに惹かれるのか考えたところ、自分も自由に生きれることができれば生きたかった気持ちもあります。そんな生き方もいいと思う。でも、一方で自分にとって与えられた役割もある。それを遂行することもそれはそれで良いかもしれないし、幸せにつながるのかもしれない。そう信じたい気持ちもあると思います。

 そして、人間の生きる目的とか一緒に歩むことというのは、必ずしも愛情からスタートしなくても、覚悟とか誇り、そういったもので幸せは得られるかもしれない。その希望もあったりするんかなと思います。

 生きていく中で、いつもではないけれど、たまには、こういう方々もいたということを心に刻んで生きていきたいなと思っています。